フランダースの犬の大聖堂へ
アントワープ聖母大聖堂へ行きました。
ここはフランダースの犬の主人公ネロが最後に行った教会で有名です。
『フランダースの犬』の最終回ではネロとパトラッシュが天へ逝く直前のシーンで、
この大聖堂内にある「キリストの降架」と「聖母被昇天」の2枚の絵画を見上げる場面があるのですが、いずれもネロが劇中でもずっと憧れていた画家ルーベンスの作品なんです。
ルーベンスとは17世紀のフランドル・バロックを代表する画家で、当時は外交官としても活躍していて7ヶ国語話せたらしいです。
このアントワープに残っている邸宅兼アトリエであるルーベンスの家では2000点を超える作品が生み出されて、今では美術館にもなっています。
かつて、聖堂内ではルーベンスの『キリストの降架』と『キリスト昇架』の両作品の前には厚いカーテンが覆われており、銀貨を払った人だけに公開が許されていたそうです。
フランダースの犬の物語でも同様、銀貨を払わなきゃルーベンスの絵は見れなくて、
貧しいネロはずっと見れなかったんですね。
ネロは「きっとルーベンスは、貧しい人に絵を見せたくないなんて思わなかったはずなのに」と物語の中で悲しんでいます。
「フランダースの犬」の最終回で吹雪の中、この教会にたどり着いたネロはカーテンで覆われていない絵『キリストの降架』と「聖母被昇天」の絵画をやっと目にすることができるんです。
そしてその時ネロはこう言うんです。
「ああとうとう見たんだ」 「ああマリアさま、僕はもう思い残すことはありません」
そしてネロとパトラッシュは『キリストの降架』の前で床に横たわり、天使に囲まれて昇天してゆくのです。
もうその姿を想像するだけで涙が出てくる人もいるかもしれません。
ぜひともネロがずっと見たかったルーベンスの大作をじっくりご鑑賞ください。
『聖母被昇天』(1626年)
聖母マリアがその人生の終わりに肉体と霊魂を伴って天国にあげられた出来事を描く。
『キリストの降架』(1614年)
アントワープ大聖堂にある三連祭壇画。縦4.2メートルの大作。磔刑に処されたイエスの亡骸が降ろされる場面を描く。
『キリスト昇架』(1610年)
アントワープ大聖堂にある三連祭壇画。縦4.6メートルもの大きさ。十字架に掛けられるキリストを描いている。
三連祭壇画(トリプティック/Triptych)とは、三面鏡のように3枚で構成された祭壇画。複数の絵画や浮き彫りで構成された祭壇画は「多翼祭壇画(たよくさいだんが)」と呼ばれ、ルネサンス期のヨーロッパで多く制作されたらしいです。
『キリストの復活』(1612年)
ルーベンスの名画はこの大聖堂に
『キリストの降架』
『キリスト昇架』
『キリストの復活』
『聖母被昇天』
計4枚の絵が飾られています。
有名な美術館に保管されててもおかしくないくらいの超大作の絵が4点もあるんです!
そんな迫力のある絵をたっぷり鑑賞しただけでも十分価値のある大聖堂になっています。
大聖堂の近くにはTOYOTAが寄贈した記念碑があります。
フランダースの犬はもともとベルギー人には全く人気のなかった物語だったらしく、
日本人がこのアントワープに訪れた際に『フランダースの犬 フランダースの犬』と観光に来たのがきっかけでアントワープでも有名になったらしいです。
ベルギーの人々からしたらフランダースの犬で描かれてるベルギー人はみんな冷たく描写されているようで『私たちは違うわよ』という気持ちがあったり、物語がハッピーエンドじゃないから好まれないみたいなんです。
日本人はお涙ちょうだいってくらいの物語の方を好むからその違いなんでしょうかね?
実際はそんなに有名じゃなくグッズも少ないように感じました。
でも大聖堂内のショップには記念バッチがありました〜!
街中ではこんなチョコレートも発見
やけに少女漫画っぽいイラストだけど笑
フランダースの犬にでてくる教会やルーベンスの絵画
とても見所満載です。
夜の雰囲気はこんな感じです
これはアントワープ市庁舎
フランダースの犬でネロが最後の望みをかけた絵画コンクールの発表があったところです。
♦︎アントワープ聖母大聖堂
開場時間:am10:00〜pm17:00
料 金:@6ユーロ(約700円)